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傳次郎日記 アーカイブ

2007年10月12日

凄いことに…(傳次郎日記)

10月10日の夜に藤間勘十郎さんと「獅子」の打ち合わせをしました。今回の「獅子」の演出テーマは“エンターテイメント”です。ネタを披露できないのが残念ですが四人の獅子がどうやって登場し舞うか楽しみにしてて下さい!以前の能と歌舞伎による「石橋」は1対1でしたが今回は2対2、舞台空間も狭く感じないように工夫はしていますが舞う方たち皆さん勢いが凄い方ばかりなのでどうなるか不安です…
晋矢さん・喜正さん・亀治郎さん・七之助さんの競演は自分も客席で観てみたい!本番は演奏しているので頭の中の想像だけで楽しみます、、、
この日は茂山逸平さんと広忠さんも合流して「月見座頭」と「能楽五変化」の打ち合わせを夜中までしました。月見座頭はオープニングから面白くしてあります。勘十郎さんの踊りに逸平さんと勘太郎さんがどう絡むかお楽しみに!能楽五変化はファッションショーの要素を取り入れて、能楽の舞・装束・面の美しさ音楽の重厚さをお楽しみください!
傳次郎

2007年10月19日

今月は…(傳次郎日記)

今月(10月)は演舞場の昼の部の連獅子の太鼓、歌舞伎座の昼の部の「羽衣」の太鼓と夜の部の「牡丹燈籠」の陰囃子を勤めてます。月末に三響會があるので午前中に演舞場やスタッフさんと打ち合わせがあり夜の八時以降は出演者の方たちと打ち合わせという生活です!もともと腰痛なので(中学生から…)移動や舞台が今月は辛いです。。。
傳次郎

2007年10月31日

感謝(傳次郎日記)

十周年の三響會が無事に終わりました!
出演者・関係者・スタッフはもちろん、台風の中お越しくださったお客さまに本当に感謝です!!!
幕が開いてガラガラだったらどうしよう…って正直不安でした!
また数日前の依頼にもかかわらずご出演いただいた萬斎さん・愛之助さんにも感謝です!(本番の萬斎さんのアドリブは…)
傳次郎

2008年02月18日

お正月(傳次郎日記)

亀井・田中家のお正月を紹介します。。。

お正月は朝8時半に実家に家族全員集合し、9時には田中流若手一門と葛野流の弟子たちとおせち料理とお雑煮をいただきます。なので佐太郎先生は台所にたち20人分の世話をしなくてはなりません!そして10時には傳左衛門氏と私は毎年恒例のセルリアンタワー能楽堂の
公演に出発、広忠氏は茂山家・天空狂言に出演のため大阪へ、佐太郎先生は年始の挨拶へ、忠雄先生は自宅でお客様をお迎えする…と、一年の始まりからバタバタです。。。
セルリアンタワーの公演はお正月から沢山のお客様が来ていただけるので大変ありがたいです(最近の春猿さんの活躍の効果が大きいかも!?)。今年の公演は「祭り囃子」を舞台で披露したり、踊りは「俄獅子」を選曲したのでいつもと違った華やかな舞台でした。公演は12時~13時まで。
すぐに私の運転で傳左衛門氏と年始の挨拶まわりに行き、15時からは実家で新年会です。
田中流一門・田中傳左衛門社中とその家族、他の流儀の方もいらっしゃるので40~50名
ぐらい集まります。社中の方は毎月各座バラバラなのでお正月の時ぐらいしか全員顔を合わせられません。新年会は祖父の時代から毎年欠かさず続いている行事です。
我が家では「寝正月」という言葉は存在しません。
こうして嵐のような正月を過ごし2日からは各座初日です!
1月は新橋演舞場の市川海老蔵公演に参加しておりました。
1月のことは次のブログで・・・

2008年02月20日

1月は…(傳次郎日記)

1月は海老蔵さんの新橋演舞場・新春歌舞伎公演「雷神不動北山櫻」に参加しておりました。
海老蔵さんとはここ3年ぐらい舞台をご一緒させていただいております。
今回の公演は海老蔵さんも初の座頭(ざがしら)ということもあり気合十分!!
パワーとスピード感、舞台に対し情熱的なところ、良い刺激になりました。

また今回の舞台が良かったのは役者はもちろんスタッフ陣の体制も素晴らしいものが
ありました!みなさん千秋楽まで公演を支えるという“職人魂”!!
演出には奈河先生と藤間勘十郎さん。
奈河先生とは猿之助さんの作品で数多くご一緒させていただき、勘十郎さんと私は十数年の仲!勘十郎さんとは色々な作品を作ってきたので、こちらから作調した音・あちらから要求される音をうまく組み合わせることが出来たので黒御簾の中は大変でしたがとても楽しかったです。
公演も完売になるほどの大盛況!話題の空中浮遊など新しい試みも斬新!

市川猿之助さんは30歳から7月の歌舞伎座公演を30年以上続けてきたそうです。
海老蔵さんも30歳。これからも“歌舞伎の進化”のお手伝いが出来るように自分も精進して頑張ります。

2008年04月07日

2月の舞台より(傳次郎日記)

2月は博多座の花形歌舞伎公演に参加しておりました。
今回の座組みは片岡愛之助氏・市川亀治郎氏・中村勘太郎氏・中村七之助氏と
三響會ではお世話になっているメンバー…!他にも中村獅童氏・市川男女蔵氏・中村亀鶴氏と若手中心の座組み。
同世代とあってみなさんとも気心知れた仲ですが舞台はやはり真剣勝負!若手中心とはいえ責任公演でもある訳ですからいつもとは違った雰囲気でした。
そんな気合溢れる舞台もお客様に伝わったのか連日満員御礼、夜の部の最後にはカーテンコールでお客様も総立ちと素晴らしい公演となりました。
地方公演ではホテルが多いのですが、博多では知人の経営しているウィークリーマンションを紹介していただき1ヵ月間滞在していました。マンションも去年の夏にできたばかりで、お風呂にテレビやスチームサウナが付いていたので快適な生活でした。
博多では公演の後は必ず毎日ジムに行き、走ったり泳いだりトレーニングしていました。
東京だと公演の他に三響會の打ち合わせや色々な会社にイベントの会議に行ったりと…中々自分の時間がないので地方公演で体を鍛えたり体重管理をしたりしています。
仕事もプライベートも充実した1ヶ月となりました!

2008年04月15日

3月の舞台より(傳次郎日記)

3月は歌舞伎座の序幕「春の寿」と新橋演舞場の「ヤマトタケル」に参加。

歌舞伎座では久しぶりに傳左衛門氏と舞台が一緒で、太鼓で歌舞伎公演の出囃子に出るのも久しぶりでした。。。最近は小鼓で出演する機会が多く、今年も太鼓の役は少ないかも(汗)!近年の歌舞伎公演の多さと一昨年に祖父の一番弟子の田中傳兵衛が亡くなったのが重なり傳左衛門氏と共に公演に参加する機会も減ってきました。

また「ヤマトタケル」は初演では先輩が作調されたのですが、再演のバージョンは自分が作調させていただきました。猿之助さんは18歳から担当させていただき、本当にかわいがっていただき、たくさんの作品を勉強させていただきました。生意気だった若造を抜擢していただき、それに応えるための勉強や挑戦、葛藤、自分にとって最も有難い青春時代だったと思います。またスーパー歌舞伎に参加させていただいたおかげで今日の三響會の演出もあるのだと思います。スーパー歌舞伎の“夢見る力”や“ロマンの病”(作品観た方しかわからないかも…)はたいせつなメッセージです。猿之助さんとも久しぶりに稽古場でお会いでき笑顔で挨拶してくださり、ホントに尽くしてよかった!って思いました。4月は博多座、5月は大阪・松竹座、6月は名古屋・中日劇場なので是非ともご覧ください。(最後は宣伝!)

2008年04月23日

3月27日獅子虎傳阿吽堂 Vol.4(傳次郎日記)

今年も世田谷パブリックシアターでの企画公演をさせていただいた。

パブリックの芸術監督であられる、野村萬斎氏と広忠さんとの縁で企画された公演で、“純粋に音楽が主体となり楽しめる公演が出来ないか”との要望で始まった公演です。

三響會以外で三人が揃う公演は少なく、獅子虎傳はその中でも珍しくトークがあったり楽器レクチャーがあったりとお客さまに近い距離で楽しめる公演です。トークは進行台本が無く、本番前に軽い打ち合わせしかないのでいつもスリルある内容です。まぁ台本作らない私が悪いのですが…いつもの事でスタッフの方すみません。。。

獅子虎傳では毎回ゲストは我々と同世代の方を呼んでいて、今回は尾上青楓さん・茂山逸平さん・中村梅枝さん・英哲風雲の会のメンバーたちと楽しく一日を盛り上げました。

青楓さんや逸平さんとは10年以上の仲なので舞台の上でのトークは敬語に抵抗があり(笑)、梅枝さんは我が家とは役者としても、またお稽古に来られている縁もあり、この様な共演は嬉しく思います。いま20歳という若さで「松の翁」という大曲に挑戦していただいたが舞を見ていて踊りに対しての丁寧さや品格が出てきたと思いました。

また、この公演で楽しみにしていたのは英哲風雲の会のメンバーが参加してくれたことです。兄たちのブログにも書いてありますが、林英哲さんのもとで修行され国内や海外ツアーにも出たりと大太鼓奏者として第一線で活躍されているグループです。

以前、私と共演した縁で今回は強引に引っぱってきた感じですが、たくさんの方々に彼らの舞台を観ていただき、それに加え芸に対する直向きな姿勢や努力。ご覧いただければ伝わる情熱。私もただ感心して頭が下がります…。これからも英哲風雲の会とは色々な場所を設け競演していきたいと思っています。

3月は歌舞伎座と演舞場公演に参加して、その他にも芝雀さんの会や片岡千之助君のイベント公演、勘十郎さんの会の稽古に5月の三響會の打ち合わせや秋の企画公演などの打ち合わせで予定がパンクしていたので、4月の金毘羅歌舞伎での温泉が楽しみです!!!!


2008年05月12日

四月の舞台より(傳次郎日記)

四月は四国・こんぴら歌舞伎に参加。
我々が行った時は桜が満開で、三月のバタバタスケジュールを忘れさせてくれるような景色でした。
今回の座頭は海老蔵さんで今年二回目の担当。
この金丸座でもさすが“市川海老蔵”といった迫力の舞台。特に「暫」は圧巻!狭い芝居小屋であの衣裳とあの美術!若さの勢いだけではなく野性味溢れる感性やあの豪快な動きや形は“華”という言葉がぴったりな役者。
また夜の部の「夏祭」も勘三郎さんの指導のもとよく研究され初役とは思えない程、自身の「夏祭」になったと思いました。

常に刺激を求めている男がいると、こちらも触発されて仕事が本当に面白くなります。
これは我々の世界では最も大切な事だと改めて実感しました。。。

また今回の公演で「供奴」の尾上右近クンが素晴らしかったです。まだ15歳という年齢!
芸に年齢は関係ありませんが、一生懸命な15歳の青年に心を動かされました!
芸は“うまい”とか“へた”ではなく、いかに“実直”に“一心”にやるかだ、と自分が本腰を入れて修行していた10代の頃、師匠・佐太郎に言われた言葉を思い出しました。

こんぴらでは芝居が18時に終わるので、宿でご飯を食べ温泉に入り運動したりと健康的な生活(笑)
たまに海老蔵さん松也クン右近クンとお酒を飲み(右近クンはウーロン茶)、夜遅くまで芸談したり、将来の話をしたり、みんなで露天風呂に入ったり…と、とても思い出に残る一ヶ月でした。
ちなみにこんぴらさんの石段は7回上がりました!

2008年05月13日

記者懇談会を終えて・・・(傳次郎日記)

4月28日に記者懇談会を終えて、いよいよ三響會の最終準備。。。

十年続けていても、当たり前ですがやはり毎回苦労します(泣)

特に京都はまだ二回目なので、自分のこだわりだけが暴走してしまわないように美術や照明などスタッフとのコミュニケーションを大切にしなければなりません。三響會は「音」「演者」「舞台」の三つが合わないと成功には繋がりません。この何年はずっと演出や美術を任されているので責任重大!お客さまには耳と目で楽しんで頂きたいので今回も頑張ります!

記者懇談会で記者の方から三響會の今までの10年と今後の10年は?という質問がありました。私は今までは「挑戦」してきた10年、そして今後は「勝負」の10年ですと答えました。

今までの10年は我々の師匠や先輩方の後ろ姿を追ってきた10年。両親から学んだ“守る難しさ”、幼い頃より先代の観世銕之亟先生のもとで学んだ“革命的な思想”、歌舞伎では玉三郎さんに学んだ“美へのこだわり”、猿之助さんに学んだ“中身のあるエンターテイメント”が今の三響會に活かされるように意識してきました。この先輩方には本当に夢をみさせていただき、少しでも近づけるように…と今でも思っております。

これからの10年もそれを活かし、また自分のハードル上げていろいろな「勝負」ができれば素晴らしい10年になると信じています。今年は夏にも秋にも企画を考えているので、まだ発表はできませんが皆様よろしくお願いします。

まずは南座・三響會が無事に盛会になるよう努力です!!!

2008年05月30日

南座・三響會無事終わりました!(傳次郎日記)

皆々様のおかげをもちまして南座・三響會が無事に終わりました。
平日にもかかわらずたくさんのお客様にご来場いただきホントに感謝です!
今回は27・28日の2日間、昼夜4回公演といつもの東京公演より多く、
4300人という壁に不安はありましたが、当日に支配人から動員数を聞いてビックリ!
この何ヶ月の努力が報われた瞬間でした!!!まさにお客様は神様です(笑)

また今回は豪華・豪華のゲスト揃い!観世宗家、銕之丞先生、千之丞先生にご出演・ご協力を願えたことは三響會にとりましてこの上ない喜びです。観世宗家と銕之丞先生は幼少時代から大変可愛がっていただきました。千之丞先生は狂言だけでなく“演劇人”として最高峰のお方です。そのような方々に我々のような“生意気な若造”の会にご出演いただけたのは本当に「夢」のような二日間でした(涙)!五人三番三の千之丞先生、最高でした!「レディース・アンド・ジェントルマン!」私の“おふざけ”で入れたセリフにお付き合いいただきありがとうございました。。。

また歌舞伎界から二年連続で孝太郎さんにご出演いただきました。
染五郎さんには前日まで演舞場に出演されていたので27日の朝に京都に着き、安達原と船弁慶の舞台稽古をして本番2回公演と超~ハードスケジュールにもご協力いただきました。
亀治郎さんも私の“わがまま演出”にご協力いただき安達原の最後の飛び込みも「義経千本桜」の知盛のように背中から落ちていただきました。この演出も27日の舞台稽古で決まり
「亀治郎さん!背中からいこう!」と言ったら「本当に!?無理!無理!」と返され…「怪我しても保証しないけど絶対背中から!絶対効果的だし!」と強引におしたら「わかったよ…ただ気が変わったらゴメンね!」と。この瞬間“この男は必ずやる!”と確信しました!なぜなら「市川亀治郎」だからです(笑)!本番で飛び込みの瞬間お客様からの驚きの喚声があがり、太鼓を打ちながら心の中ではガッツポーズしていました!背中落ちは前回の安達原でもやる予定だったのですが、セリの都合で断念した演出だったので今回夢が叶いました!

勘十郎さんは去年の10月の東京公演に続き「月見座頭」をお願いしました。「月見座頭」は私のお気に入りの苫舟(勘十郎)作品です。苫舟作品はこれからも三響會で上演できる機会を増やしたいと思っております。
三響會がこうして続けられるのも出演者・スタッフに恵まれ、お客様にも恵まれていることだと思います。みなさんに感謝!

次回の三響會がまだ発表できていませんが…次も必死に頑張りますので、みなさま応援の程よろしくお願いいたします。

2008年06月11日

6月6日「たまにはプライベートも・・・」(傳次郎日記)

夜八時ぐらいに歌舞伎座を出て、西麻布・星条旗通りにある「ビー玉」という
40年続く個性的な方々が集まるお店で友人と待ち合わせをして食事を済ませる。
「ビー玉」というお店は、石原裕次郎さんや萬屋錦之助さんなどが本当の“お忍び”で
足を運ばれていたみたいで、6年ぐらい前に同級生のお父さんから紹介していただいたお店です。
西麻布とは思えないほどの渋~いお店です。
11時ぐらいにお店を出て次に向かったのは六本木にある「ル・プー」というバーです。

「ル・プー」は広忠さんのブログでも度々出てくるお店ですが、
本店は京都・祇園にあり我々兄弟が京都では必ず行くバーです。
ちょうどこの日が六本木「ル・プー」の1周年でお祝いに顔を出したのですが、偶然ひとりで来ていた広忠さんと会い、ここのオーナーの武田誠さんも京都からきていたのでみんなでシャンパンを飲みました。武田さんはかなりのイケ面(お世辞!)なのでみなさん是非チェックしに行ってみてください。「三響會ブログ見ました!」で武田さんがドンペリぐらいご馳走してくれるかもしれません!(冗談です!)
プライベートではこのような冗談を交えたり、芸談したり、今後の企画や展開を話したり…ワイワイみんなで語りあっている内に段々あつくなって企画が決まる事も!(笑)仲間って本当に面白いです!
今月は歌舞伎の他に録音(野田さんのお芝居)や囃子の会や秋の企画の打ち合わせが多いので、みんなで語りあって実現できるように頑張りたいと思います。

2008年07月28日

いよいよ今週…(傳次郎日記)

我が家の夢であり挑戦でもある大イベントがいよいよ今週に迫りました。
まさか歌舞伎座で…まさかこのメンバーで…
いろんな偶然が必然のような流れで決まり、今回の「囃子の会」の形になりました。
企画段階から両親と話し合い“今の忠雄&佐太郎”を中心に考え、出演をお願いする方、我々兄弟とも「どう絡めるか」を慎重に選びました。家族で同じ道を歩んでいるのに意外と“初共演”ばかり。実は「佐太郎と広忠」「忠雄の大鼓と広忠の大鼓」「佐太郎の太鼓と私の太鼓」「家族全員での演奏」、これらすべて初めてのことなんです。
最初の「三番叟」は“佐太郎還暦祝い”として我々兄弟で囲み、亀井家四男のような勘十郎さんに舞っていただく(笑)
最後の「獅子」はあえて“番外”として扱い、身内と身内のように応援してくださる皆様に向けて思い出に残るような演奏にしたいと思っております。
先日、両親の記者懇談会も隅のほうで見ていて思った事は“年齢”です。この家に生まれ両親・兄弟とともに歩み、2歳から稽古を始め、10代は必死に修行し両親の背中を追い続け、20代は三響會を主宰し歌舞伎でもお役を頂戴し両親の芸を盗むのに必死で、いま30になりやっと修行時代に両親から教わった事が理解してきたかな…やっといまからスタートかな…と思っていました。しかし記者懇談会で父が「親バカではありませんが息子たちもやっと育ち、私の年齢になるときはきっと私の芸位は超えるでしょう…前回、傳左衛門と傳次郎と獅子を演奏したとき本当に(演奏を)やってよかったと思ったよ…」と記者さんたちに話している姿を見たとき寂しさと悲しさで涙が出そうになりました。“父は偉大”と母親から家訓として教育を受け、稽古も舞台も厳しく・激しく、我々に「舞台人の生き様」を見せてくれた「亀井忠雄」が自分の舞台人生に覚悟を決めたような言葉でした。常に“いつ死んでも納得する舞台を勤める”と言う父親が今回の「囃子の会」で我々に“魅せるぞ”というメッセージだと感じました。
今回の「囃子の会」にご来場くださるお客さま。家族の一員になった気分でお楽しみ下さい!

2008年08月25日

「囃子の会」!!!(傳次郎日記)

ブログが遅くなってすみません・・・

「囃子の会」は本当に一家命懸けの舞台!
私は朝10時入りで舞台と明りの合わせをし、14時~舞台稽古、16時~本番!
「三番叟」の幕が開いた瞬間からエンジン全開!母親と兄二人の“やってやる”という気迫が伝わり、耳からこぼれそうなほど脳からアドレナリンが出ていました(笑)

「三番叟」と「鶴亀」が終わり楽屋に帰ると“もう1人の男”が「阿修羅」のような顔をして楽屋で待機していました。次に「小袖曽我」を打つ“亀井忠雄”です。楽屋からすでに“やってやる”という感情と、なにかガキ大将が運動会で「騎馬戦」「棒倒し」ではりきっているような“やんちゃ”な表情で舞台に行きました!このオジサンさすがです!

「静と知盛」「羅生門」では舞台の脇から能楽師の方々が富十郎丈と吉右衛門丈の舞を見つめ、「楊貴妃」では観世宗家の舞を玉三郎丈が見つめるという表も裏も豪華な顔ぶれでした。

「老松」では佐太郎と佐太郎一門が打ち、玉三郎丈に踊っていただき、私は佐太郎の脇太鼓を打ちました。NHKの「鼓の家」でも言いましたが、母親の背中を父親の背中として育ち、太鼓の撥さばき・掛け声も全て自分のものにしようと真似をしてきました。そして14歳から玉三郎丈の歌舞伎から見習いとして修行させていただき、現在まで傳左衛門も私も育てていただきました。舞台でその“師”二人の背中を見ているうちに今までの幼少時代や修行時代のことが頭の中を駆け巡り、自然と涙が溢れてきました。自分も初めての経験で驚きましたが、亀井忠雄・田中佐太郎・八世観世銕之丞・坂東玉三郎という四人の“父”に育てられたのがあの舞台全てだと思いました。

最後の「獅子」は“感謝”という気持ちで親兄弟と戦いました。もちろんお客さまにも“感謝”です。あの「獅子」での歌舞伎座の空間・空気は一生忘れません!舞台と客席が囃子を通じて一つになれたと思います。「露の拍子」で無音になる時も、物音や咳など全く聞こえることなく素晴らしい空気だったと感動しました。

次の「囃子の会」は未定ですが、両親の年齢のことを考え毎年やりたいのですが…なかなか頑固な二人なので説得する作業からはいります(笑)

いつになるかわかりませんが皆さま次回もよろしくお願いいたします。

2008年08月26日

とにかく・・・(傳次郎日記)

オリンピックも終わり夏も終わりが近づき・・・
私の忙しい夏も昨日(24日)の「亀治郎の会」で終わりました!(歌舞伎座はありますが)

とにかく今年の夏は忙しかったです!
8月1日は「囃子の会」の稽古と夕方からダイナースカードの演奏会
2日は「囃子の会」
3日は11時~歌舞伎座の稽古、12時~三響會倶楽部のパーティー、16時~一門の方の結婚式
4日~15日「音の会」と伝統歌舞伎保存会が主催する小学生・歌舞伎体験教室の手伝い…
16日~18日秋のイベントの会議(まもなく発表します…)
19日~「亀治郎の会」の稽古
23・24日「亀治郎の会」

毎日歌舞伎座の一部の「三人連獅子」二部の「大江山」三部の「紅葉狩」をしながらの
掛け持ちだったのでハードでした(汗)
さすがに兄たちからも「死ぬなよ…」と一言!
“思い出の夏”となりました。。。

2008年09月04日

「亀治郎の会」…(傳次郎日記)

さすが亀ちゃん!正直な感想です!
演目は「俊寛」「京鹿ノ子娘道成寺」でしたが、全く正反対な扮装と体使い…いま出来るのは正に亀治郎さんしかいないと思いました。。
そして[普通]で終わらないのが亀治郎!色んな資料を研究されて演じられました。「道成寺」も中村歌右衛門さんが映画を撮られた時の演出や、中村雀右衛門さんの型など諸先輩の演出された事を復活させ、そして現代のお客様に[見せて][魅せて]“新しい”という感覚まで運ぶ!我々三響會でもそうですが、“古典”にこだわり“古典”が“新しい”という感覚をお客様と共有することによって初めて生まれるものがあると思います。亀治郎さんのこの“感覚”大好きです!
そして裏の手伝いの皆さん。お弟子さんをはじめマネージャーの鹿渡さん、番頭の斎藤さんの素晴らしいサポート力!全てが「市川亀治郎」に活かされてると思いました!この会に毎回参加させていただいてますが、自分もファミリーの一人のような気分になってしまうのです(笑)
会の2日間は大変でしたが(道成寺が終わって20分後に歌舞伎座の大江山)色んな勉強ができたことに感謝!

2008年09月24日

すごいなぁ「嵐」…(傳次郎日記)

先日(9月5・6日)国立競技場にてジャニーズ事務所のアイドルグループ「嵐」の単独ライブが行われました。身内ごとですが私の嫁が結成時代からの熱狂的ファンということもあり、私も洗脳のごとく彼らの曲を聴かされ(汗)かなり詳しくなりました(笑)日本人では3組目となる国立競技場のコンサート!すごいです…。この2日間での動員が14万人という古典芸能界ではありえない数字!我々の10年間の活動でもとうてい及ばない人数です。。。
しかも彼らはここからアジアツアー!台湾・ソウル・上海とライブを行うみたいです。

私も去年の東京ドーム・コンサートに強制連行されましたが、圧倒されるステージとパフォーマンス、お客さんとの一体感、全てが勉強になりました。我々とはもちろん表現は違いますが、彼らの一生懸命さや情熱は確かでした!嵐も結成時代から6年ぐらいは苦労したみたいです…私も昔は全く興味がありませんでしたが、やはり生のライブを観てしまうと同じ舞台人として良い意味で嫉妬しますし、励みにもなります。ステージからお客さまに投げる心は一緒だと思います。

我々もここを目指すわけでは当然ないですが気持ちと目標は高く、そして多くのお客さまへの心は大切にしようと思います!

2008年09月26日

源氏幻想!(傳次郎日記)

秋の企画第一弾!やっと発表することができました。

今回は源氏千年紀委員会よりの依頼で製作することになりました…
目玉は
愛華みれさんの復活!
市川段治郎さんの光源氏初役!
月影瞳さん、男役への挑戦!
だと思います。
また林英哲さんが参加してくださることによっての幅の広がり。
今までの企画とは全く違う新しい挑戦だと思っております。

関西圏だけではなく西日本、全国から是非11月3~5日神戸にお集まり下さります様お願い申し上げます。。。

また演出プランやみどころ・構成などまたブログで報告します!

2008年10月09日

「珠響~たまゆら~」結成!(傳次郎日記)

ようやく秋の企画「第二弾」が発表できました。プレミアムコンサート「珠響~たまゆら~」です。

30代になり、一人の音楽家として今、何ができるか、これから何をすべきかを考えていた時、同じく30代のそれぞれ異なるジャンルで活躍している音楽家達と出会いました。
彼らと共に演奏を競い合い、高め合う。そんな舞台への挑戦ができないものかと考えて、このコンサートを企画しました。

「珠響」とは、宝である「珠」が触れあう、わずかな時間のこと。
我々音楽家、そしてお客様の魂に、音楽の力が響き合う、そんなひとときをお送りしたいと考えています。 ご期待下さい!

2008年11月17日

珠響 (傳次郎日記)

いよいよ明日、18日に『珠響~たまゆら~』が始まります。

なぜ、“始まる”なのか。実はこのコンサートは、自分にとって三響會と並ぶもの。10年20年と続けていこうと思っている舞台だからです。

今回の出演者は全員30代!稲本さんと村治さんとはプライベートでも仲良くさせていただいていますし、道山さんと風雲の会(実際は英哲さん)とは兄を通じて三響會や他の舞台でもご一緒させていただく仲です。
きっかけは稲本さんと村治さんと何か一緒にできないか、と盛り上がったこと。折角だから、自分たちの舞台を創ろう!というところからスタートしました。
20代で自分を磨いてきた方ばかりなので、「30代、自身の勝負の場」としてこの企画に全員快諾してくれました!今回セッションは無く、それぞれ自分の曲を持ち寄り演奏します。演奏家が100%の力を出すべく、それぞれの演奏を聴かせ高め合う…まさに“競演”です。

例えば、稲本さんの気合いの入り方は凄いもので、100年前のSTEINWAYを購入し今回の増上寺で披露するそうです。そういえば、我々の鼓も250年~350年前の物ですし、増上寺はそれ自体が歴史的建造物!音楽家のセッションは無くても、空間は現代と歴史のセッションになります!


三響會のコンセプトは能・歌舞伎・狂言を“囃子を通じての融合”です。この10年、「自分たちの20代という時期にどこまで挑戦できるか!?」を考えてきました。古典にこだわること、各ジャンルを尊重すること。そういった思いを、たくさんの出演者・スタッフに支えていただき、今日まで来たのではないか、と思っています。(いま劇場スケジュールや出演者スケジュールがあわないので、三響會の東京公演が中々組めない状態が続いていますが…新作の企画はありますので楽しみにしていて下さい!)

対して、これから“始まる”珠響への演奏家としてのコンセプトは“囃子へのこだわり”です。
先日、「演劇界」という雑誌で高橋睦郎先生から能楽、歌舞伎における「囃子の重要性」について、大変ありがたいお言葉を頂戴しました。
8月の「囃子の会」での両親の演奏の凄さ!最後に家族で演奏できた「獅子」!この思いを珠響という舞台にぶつけ、若き演奏家たちとともに勝負したいと思っております。