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2012年10月 アーカイブ

2012年10月15日

傳左衛門日記 10月13日

三響會まで残り二週間。

今回特に思い入れが強いのは「供奴」である。
昔祖父が倒れ、その後復帰したのが、富十郎丈の「供奴」で、
歌舞伎座に観に行った。
その後自分自身が歌舞伎公演に出演するようになり、
富十郎丈には本当にお世話になった。
抜擢もしていただき、お教えも頂戴した。

子息鷹之資君は学習院に入った。
取りも直さず、我々三兄弟の良き後輩である。
彼は稚き頃ご尊父と別れる事となったが、
恐れず腐らず、素直に行儀よく、修行に励んでいる。

富十郎丈は地方公演でご一緒すると、よくお食事にお誘いくださった。
「息子はとにかく行儀の良く、世間の常識を
弁えた役者になってもらいたい。だから学習院にと思ったんだよ。
あなたは先輩なんだから、しっかり面倒みてね」とよく仰っていた。

亡き永山会長も学習院の大先輩だが、「先輩を見たら財布と思え」と笑いながら仰っていた。
財布とは金銭面だけでなく、当然いろいろな意味が含まれる。
私が今まで様々な先輩から習い、盗み、巻き上げた様々な“財産”を、
鷹之資君等後輩達に、是非舞台上で巻き上げて貰いたい。

三響會は、そのような場に変化しつつある。
とにかく先ずは、観て貰いたい。
観られることによってのみ、舞台は磨かれる。