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傳左衛門日記 10月16日 

名古屋御園座。
今月は随分東京と往復している。近くて有難い。それにしても随分新幹線に乗っている。生涯では間違いなく山手線より新幹線の方が多い。飛行機のマイレージみたいに手軽に貯められないものか。
さて、過日取材で歌舞伎音楽の特色について尋ねられた。
歌舞伎のキーワードは「模倣」「らしさ」「本歌取り」の芸術である。
雅楽、神楽、猿楽、能楽、浄瑠璃…様々な前代の芸術から様々な要素を上手く取り入れている。
本屋でムック本を見つけ、名古屋のホテル暮らしの友となっているが、やはり世阿弥は深い。
能は五番立と言う五つの内容で大別され、五番を全て上演することが正式だそうだ。
歌舞伎も昔は一番狂言から大喜利と、朝から晩まで上演されていた。
尤も昔は能楽も歌舞伎も、もっとスピーディーだったそうなので、鑑賞するのに苦痛では無かっただろう。
11/25と26の日経ホールの広忠の公演は略式五番立という形式だそうだ。歌舞伎に例えれば「見取り」、つまりハイライトのガラみたいなものなのか。
愛好者にも入門用にも、それくらい見易い物の方が良かろう。
歌舞伎の演者や愛好者の中には、本歌を知らない方が良い、などと言う人もいるが、そんなのは無知者の僻みである。
本歌に触れてこそ、初めて離れる事が出来るし、そもそも表現力は自分の手持ちの引き出しの数で決まる。
三響會はそれを勉強する場である。
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