傳左衛門日記 5月10日
汐留某歯科、親知らずを抜く。切開し云々と、説明を聞く時は恐怖だったが、上手い先生すんなり、もう終わりですかと逆に質問。
皆後が辛いと言う。まさかと思ったらやはり同じく。家内も傳次郎も如何したら楽か教えてくれる。弱っている時、人の体験談は金言だ。
痛い。演舞場の助六は声が殆んど出せず、皆で打つ箇所は社中皆が常より大きく出してくれ、助六の出の太鼓段切は独りなので頑張って出す。
腹は減るが口中に物を入れる勇気が起きない。何か食べねば演奏に支障をきたす程飢えたので、弟子にコンビニの小分けされ固まった蕎麦を買ってきて貰い、その塊を一個ずつ丸呑み、実に不自由。

