珠響当日。
歌舞伎座の道成寺と勧進帳、それぞれ終了後、移動を含め30分でサントリーホールの舞台に上がらなければならない。
今日は演奏の出来不出来も重要ではあるが、とにかく舞台に穴を空けない事が何より重要である。
先ずは体力。朝一のサントリーホールの下見から始まるので、前日から隣のANAインターコンチネンタルに宿泊した。新設のクラブフロアに宿泊したが、対応の素晴らしさ、ラウンジの使い勝手の良さ、勿論部屋の素晴らしさ。良い英気を養う事が出来たし、合間の10分間だけの仮眠も上手く取れた。
次に移動の段取り。歌舞伎公演中なので、気の利いた弟子は皆出払っている。急ぎの移動で費やす気力はかなりのものである。要領を得ないTAXIの運転手に道を説明する苛々など精神的に一番負担になる。バイトの付き人では段取りも…と思案にくれたが、独りでは不可能なので、野田版愛陀姫でトランペットを吹いた音大生の松原さんに相談をしたら、本人が引き受けてくれた。存外にかなりてきぱきと動いてくれたので、移動その他身の回りも困る事は無かった。
朝の音合わせでちょっとだけ稲本さんと村治さんの演奏を聞けたが、本番では誰の演奏も聞けなかった。場当たりもリハーサルも出来ず、到着して鼓を微調整し、演出の傳次郎に詳細を聞いて慌しく本番。
終了後の打ち上げもそこそこに、ホテルに戻り休む。
