観世会別会にて「道成寺」シテは岡久広氏。小生にとって29回目の道成寺となる。
観世会別会の真ん中は「江口 干之掛」シテは木月先生で大鼓は亀井忠雄。別会で親子で御役を頂戴致す名誉!! 父の江口の後見を勤めた後に道成寺を打たせて頂く。 江口の干之掛の小書附き。笛は藤田六郎兵衛氏・小鼓に観世新九郎氏、手揃いによる序之舞は聞き応えがあった! 親父が昭和16年、藤田氏が昭和28年、新九郎氏が昭和40年、巳年による響演。上手いこと世代が別れての舞台はなかなかバランスが取れてて佳い舞台に仕上がる傾向が多いのです。世代が別れてるからこそ生まれる舞台上の緊張感。 やはり六郎兵衛さんは私は現在の笛方の中で最高の笛を吹かれる方だと思います。決して情感に流されることなく、舞台上の空気を受け止めた上での超絶技巧。謡を受け止め、大小鼓を咀嚼した上での御自身の笛、こんな笛方はなかなかいらっしゃいません!
さて道成寺。今日は格闘しながらの道成寺で終わったような感じでした。女性の強い情念を表すのであらば、情念を力で示すのが我々世代の演り方。しかも「獅子」のような動物的本能でもって訴えかけるのではなく、あくまで女性の執心として。ここの所が難しいのです。それには根本的な「力」がないと!準えただけの表面的技巧は安っぽいものなのです。
29回道成寺を経験したからこそ言えるのは、やはり亀井忠雄の道成寺には足元にも及ばないということです。だからこそ追求する価値のある曲だと言えるのでしょう。
