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傳左衛門日記 8月10日

野田さんからの指示は、あくまで歌舞伎座で上演される「歌舞伎」だという事。役者さん達にもオペラのDVD等を必要以上に観ないようにお達しが出た。
その為には原曲をなぞりつつ、テイストを変える必要がある。歌唱でなく台詞に乗せるように速度も変更する必要がある。西洋音階と歌舞伎の台詞は基本的に合わない。ただ、和楽器はどんな一流の奏者でも、楽器自体が持つ音階のブレが有る。その点はクリア出来そうだ。原曲と違うという意見が必ず出てくるはずだが、原曲を聞きたければオペラを観れば良い。我々は相当熟知した上で変更している。
二つのジャンルの最小公倍数を探る遣り方は、普段の三響會での作品創りと同じ方法での作業である。三響會で能と歌舞伎を摺り合わせるように、伝統邦楽とオペラを擦り合わせていく。

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