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広忠舞台日記 5月22日

本日は京都の造形芸術大学にある春秋座という劇場で渡邊守章先生主催による観世榮夫先生の追悼公演。曲は「薔薇の名~長谷寺の牡丹~」。渡邊守章先生作の観世榮夫先生演出・節付で、榮夫先生最後の新作能になる。渡邊守章先生はフランス文学の先生で、特に日本におけるポール・クローデルの研究に於かれては権威であられます。また御自身の演劇集団“空中庭園”を主催されておられ、空中庭園主催の海外公演で2回ほどフランスで公演した。一回目はエックス・アン・プロヴァンス、ブラングにあるポール・クローデルの居城、パリと回った。この時の演目は“ 内濠十二景~二重の影~”、やはりポール・クローデルの作品を基にした新作能でした。二度目はパリ公演のみで、やはり内濠十二景と翁と、この薔薇の一部分をやりました。いかにも南仏らしい解放感にあふれたエックス、なかなか個人的に行くことのないグルノーブル近くのクローデルの居城、そして麗しきパリ、守章先生・榮夫先生・梅若晋矢さん・茂山宗彦さん達と廻った公演旅行、懐かしく思い出されます。一回目の最終日、丁度公演中に9・11事件が起こり… 帰りの飛行機が出るかどうか不安でした。成田にランディングした時は機内は大拍手が起こり… あのような経験も初めてでした。守章先生は能が初めて渡欧した時にパリの大学生として能楽団のお世話をされてらしたみたいで、以来観世三兄弟の海外能楽団「世阿弥座」(私の父もメンバーの中にいました)のサポートをされたりと、とかく寿夫・榮夫先生とはお付き合いの深い先生であられます。
その守章先生が榮夫先生との最後の作品をもって追悼公演とされる。今までの榮夫先生から受けた御恩を感じるにつけ、フランスでの道中も思い出され感慨深い公演となりました。シテは観世銕之丞、小鼓に大倉源次郎、先生を偲ぶのには的確なメンバーが集まりました。自分も作調と共に謡の節付(作曲)にも関わらせて頂いたので思い入れの深い曲でもあります。昼のリハ夜の公演、間に茂山逸平と三番三の稽古をしたりしました。夜は榮夫先生の献杯をしてから空中庭園スタッフと先生やフランス公演についての思い出話で盛り上がる。その後祇園のルプーに行き、再び親友の武田誠を訪ねる。

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