ここ数年母校学習院大の"日本の伝統芸能"という講義に呼ばれている。年に一度の目白、来る度に駅の周囲や学内も綺麗になり、学生たちもより若く感じる。浅学の上準備不足で毎度申し訳なく思うが、学生諸君とコーディネーターの先生の反応に上手く乗せられる。百人超の大講義、一年を通して雅楽から歌舞伎、落語に至る迄、広く浅く伝統芸能に触れられる。今回は敢えて専門的な話でなく、ひたすら今年のパリ公演と、NY公演について話す。狭い日本の狭い伝芸が広い世界に出た時に向こう側とこちら側、双方向からどう見えるか考えてもらいたかった。講義後に数名の学生が寄ってきた。三響會を観てくれたそうだ。中に、家内の宝塚歌劇団の後輩だという嬢がいて驚く。彼女は退団後この大学に入り、この講義を選択した。向学心のある人は実に良い表情をしている。
講義後、少し構内を歩く。数年後取り壊すらしいピラミッド校舎の写メールを撮り、同級生に送信。学習院生にとってこのピラミッドの形をした妙な建築物は、東大の安田、早稲田の大隈に並ぶような象徴である。無くなるのは悲しい。
